床はフローリングにしようと思うんだけど、何がおすすめですか?
当社の標準仕様はこちらです。色々な種類からお選びいただけますよ!
検討中のハウスメーカーや工務店にもよりますが、標準仕様のフローリングの種類はだいぶ豊富になっています。
見た目も色々な種類があり、お掃除やメンテナンスが手軽な仕様になっているものがほとんどです。
商品名、商品説明を聞いただけだと、まるで無垢フローリング、もしくは無垢フローリングのデメリットを全て解消した画期的な商品をイメージさせるフローリングが溢れています。
でも...
実際のところはちょっと違うんです。
無垢フローリングとの比較という意味でお話すると、これら商品の情報は表面的と言うか、顧客の心を掴むためのキャッチーコピーと言うか。
実際に提案しているハウスメーカーの営業担当の方でも勘違いしていたり、詳細を知らないことが多いんです。
皆さんには後で「そうだったの?」ってことにならないよう、フローリングの種類を把握し、10年後も後悔の無いフローリング選びをしてもらいたいです。
それでは、フローリングの種類と選び方について紹介していきます。
フローリングの種類
フローリングは大きく分けると下記2種類に分かれます。
1.単層フローリング
2.複合フローリング
さらに、複合フローリングは下記3種類に分かれます。
2−1. 挽板フローリング
2−2. 突板フローリング
2−3. シートフローリング
それぞれの特徴を紹介していきますね。
単層フローリング

特徴
・無垢床、無垢フローリングはこちらに該当します。
・森から切り出してきた丸太を製材し、一枚の木材で作られています。
・厚みは15mmが多く、全て無垢木材でできてます。
・塗装の種類を選ぶことができます。(オイル塗装、ウレタン塗装など)
・キズや汚れが気になれば削って修復が可能です。(オイル塗装の場合)
良い点
・木のあたたかみを感じられる
・木目を見ると癒やし効果がある
・唯一無二の見た目
・経年美化
・香りによるリラックス効果がある
・調湿作用により室内環境を快適にしてくれる
悪い点
・価格が比較的高い
・膨張収縮により隙間や反り、割れが発生する可能性有り
・オイル塗装の場合、多少メンテナンスが必要
複合フローリング
合板を基材としたフローリングです。
表面の化粧材の違いで下記3種類に分かれます。
挽板フローリング

特徴
・合板の上に2〜3mmの厚さに挽いた木材が貼られています。
・塗装の種類は大手建材メーカーの場合ウレタン塗装1択ですが、大手以外はウレタン塗装以外にもオイル塗装など選ぶこと可能な先が多いです。
良い点
・寸法安定性が高く、隙間や反りが発生しにくい
・床暖房に対応している商品が多い。
・無垢フローリングに近い見た目と質感
・木目の癒やし効果
・唯一無二の見た目
・表面の挽板に厚みがあるため削って修復が可能(オイル塗装の場合)
・ウレタン塗装の場合、お掃除、メンテナンスが手軽
悪い点
・膨張収縮により、表面の挽板が割れる可能性有り
・価格が他の複合フローリングよりも高い
・オイル塗装の場合、多少メンテナンスが必要
・質感、踏み心地は単層フローリングと比較すると若干劣る。
突板フローリング

特徴
・合板の上に0.2〜0.3mmの厚さの薄い木材が貼られています。
・塗装の種類はウレタン塗装一択です。
良い点
・価格がリーズブル
・種類が豊富
・寸法安定性が高く、隙間や反りが発生しにくい
・床暖房に対応している商品が多い。
・メンテナンスが手軽
悪い点
・パッと見はきれいだが、高級感や深みは無い
・引き渡し時がMAXで、その後経年劣化していく
シートフローリング

特徴
・合板の上に0.1mmの厚さのオレフィンシートや樹脂フィルムが貼られています。
・塗装の種類はウレタン塗装一択です。
良い点
・価格がリーズブル
・種類が豊富
・印刷技術の向上により見た目がきれい
・寸法安定性が高く、隙間や反りが発生しにくい
・床暖房に対応している商品が多い。
・メンテナンスが手軽
悪い点
・パッと見はきれいだが、高級感や深みは無い
・引き渡し時がベストな状態で、その後経年劣化していく
後悔しないフローリングの選び方
フローリングも色々あるのね。それで、おすすめは何?
はいっ!ここからが重要です。よく聞いてくださいね。
みんなはフローリング選びにおいて何を重要視する?
1.価格
2.見た目
3.掃除の手軽さ
4.質感
5.健康
6.価値
多くの人は「価格」、「見た目」、「掃除の手軽さ」を重要視すると思います。
これに該当するのは突板フローリング、シートフローリングです。
そして、多くのハウスメーカー、工務店で標準仕様品になっているのも、この2種類のフローリングです。
ハウスメーカーの担当者も見た目良く、お掃除手軽なフローリングを勧めてくるでしょう。
でも、うちはもうちょっと質感が高いフローリングがいいんだけど。
それなら当社のフローリングで一番質感が高い挽板フローリングがおすすめです。この展示場に使用しているフローリングが挽板フローリングですよ。
こんな感じで9割の人が「突板」か「シート」、こだわりと予算があれば「挽板」フローリングを選んでいます。
複合フローリングは見た目の種類も豊富でお掃除も手軽、コストも抑えられるので、内装を決める「インテリア打合せ」のタイミングを切り取って考えれば、採用に至るのは納得です。
でも、ちょっと待って!
これから数十年、場合によってはもっと長い年月、住宅の中で一番触れる場所なのに、それでいいのって話です。
複合フローリングが駄目と言うわけではないので誤解しないでくださいね。
ここで一つ抜けているフローリングがあります。
「無垢フローリング」です。
多くの場合、無垢フローリングの話ってこちらが求めないと住宅会社側から出てこないケースがほとんどです。
無垢フローリングを推している住宅会社は別ですけどね。
ん〜、なぜでしょう?
理由は下記が考えられます。
1.担当者が予算を気にして提案してこない
2.標準品以外のオプション品は手間が増える
3.クレームが心配
4.そもそも無垢フローリングの知識が無いから提案したくない
1.担当者が予算を気にして「これ提案すると予算オーバーになるからな」と考えてくれるのはありがたいですが、お金を出す、出さないの判断は私達なので情報としては欲しいですよね。
2.住宅会社は基本的に標準品でササッと打合せを終了できるのが理想です。標準品なら仕様決定から手配、納品に至るまで流れができているので手間がかからないですからね。でもオプション品になると該当商品を探したり、別途見積りを取ったり、新しい仕入先と取引関係の書類を交わしたり、等々大変手間が取られるのです。まぁ、分からないでもないですが、「理想の家づくりのお手伝いをさせて下さい。」って言ってたけど...って話です。
3.無垢フローリングは隙間が空いたり、割れたりする可能性があります。これらがクレームとなり、時間と手間を取られることをとても嫌がる方が多いです。これは選ぶ側も無垢の特徴を理解しておかないといけない話ですが、説明無しにクレームが面倒くさいから紹介しないようにしよって言うのは残念な話です。
4.そもそも無垢フローリングの知識が無いから紹介しないって方が実はとても多いです。「知らないから提案しない」、「知っていれば提案したかも」、現実はそんな感じです。
これらの理由は住宅会社側の判断であって、無垢フローリングを使用するかしないかを判断するのは家を建てる皆さんです。
でも、本当にしっかりと我々の側に立って提案してくれる担当者に出会う確率は低いです。
そこで、フローリングに関してはこの記事を参考にしてくだいね。
それじゃあ、「無垢」、「挽板」、「突板」、「シート」の中でどれがいいのって話ですが、皆さんは下記のどれに当てはまりますか?
コスパ優先タイプ
世の中には〇〇調というモノがたくさんあります。
本革調、タイル調、石調、木目調などありますよね。
突板、シートフローリングはこれに該当します。
「価格優先、見た目がきれいなら本物とか質感とか興味ないです。あと、とにかく掃除が楽なのがいいですね。」
このタイプの方は突板、シートフローリングがおすすめです。


ただし、下記点は押さえておくべきです。
・木質フローリングと言っても、コストを抑えた合板の上にコピー用紙1〜3枚の厚み(0.1〜0.3mm)の突板や化粧シートを接着剤で貼り、仕上げにプラスチックのような樹脂でガッチリ固めた床材
・3,000〜5,000万円、もしくはもっと予算をかける家なのに、使用している床は安い賃貸の床とほぼ同等。
・引き渡し時が最もベストな状態で年月とともに劣化していく。
・劣化後の補修、メンテナンスは難しい。
見た目と掃除の手軽さ、価格を重視するならオススメの商品です。
ちょっと贅沢タイプ
「せっかく新築するなら、今のマンションに使用しているようなフローリングは嫌だな。」
「無垢がいいって聞くけど、予算はそこまで無いし、隙間が空くのはちょっと…」
「床暖房は必需品、床暖房対応で質感があり幅の広いフローリングに憧れるなぁ。」
このタイプの方は挽板フローリングがおすすめです。

ただし、下記点は押さえておくべきです。
・「まるで無垢床」、「ほとんど無垢フローリングと変わらない」、みたいな言い方されてますが、無垢とは全然違います。
・住宅会社の多くが採用している挽板フローリングは無垢みたいなフローリングと言っても、コストを抑えた合板の上に2mm厚の挽板を接着剤で貼り、仕上げにプラスチックのような樹脂でガッチリ固めた床材
・仕上げの樹脂コーティングに触れたときの質感を良くしているので、気持ち良い床と感じる方もいるが、ウレタン樹脂に触れている点では突板、シートフローリングと変わらない。
・ウレタン樹脂でガッチリ固められたコートなので掃除は楽だが、それなら突板で質感の良い商品を選んだ方がコストも下がる。
・挽板にするなら無垢の質感を肌で感じられるオイル仕上げを検討すべき。
・挽板でも仕上げがウレタン樹脂コーティングの場合、引き渡し時が最もベストな状態で年月とともに劣化していく。
・劣化後の補修、メンテナンスは難しい。
一般的なフローリングとは違うちょっと贅沢なフローリングならこちらです。
本物志向タイプ
「毎日触れるフローリングはしっかりしたモノを使いたい。」
「パッと見の綺麗さではなく10年後も愛せるモノを使用したい。」
「車やバイク、キャンプギア、革製品はお手入れしながら育てていくもの。そんな感じで愛着わく我が家に育てていきたい。」
「調湿作用、癒やし効果、あたたかみ、香りなど、無垢木材が家族にもたらす良い効果に興味がある。」
このタイプの方は無垢フローリングがおすすめです。

ただし、下記点は押さえておくべきです。
・隙間は空きます。
・割れたり、反ったりする場合があります。
・無垢フローリングの質感を楽しむならオイル仕上げですが、ウレタン塗装と比較すると汚れ、染み、キズが付きやすいです。
・汚れ、染み、キズはDIYで補修できますが、それが手間でやりたくないなら選ばない方が良いです。
・一般的なフローリングと比較すると価格はUPします。
外見だけでなく、本質的なモノの良さを大切にする方におすすめのフローリングです。
まとめ
フローリングにこんな種類があるのご存知でしたか。
一般的には見た目や掃除の手軽さ、価格の話がされるだけで、ここまで深い話をしてくれることはありません。
知らなければそれで済んでしまうことでもありますが、せっかく家を建てるのであれば知っておいて欲しい情報です。
「そんな話、打合せで一切されませんでした。」
「家を建てる前に知りたかったです。」
そんな後悔はして欲しくないので、フローリング選びの参考にしてくださいね。